東日本大震災後、国指定の伝統工芸品である「大堀相馬焼」の窯元が浪江町から白河市に避難し、「南湖公園」周辺に工房兼店舗を新設した。
寛政の改革で知られる白河藩主・松平定信により、享和元年(1801)に築造された福島県白河市の国指定史跡「南湖公園」。当時の庭園は城内や大名屋敷内などに造られ庶民は立ち入ることができなかったが、「南湖公園」は「士民共楽」をうたい、身分の差に関係なく誰でも楽しめる場所であった。現在でも、桜、松、楓など四季折々に優雅な風趣をたたえ、花と緑と水の園として多くの人々を魅了している。
ガッチ株式会社は、お世話になっている白河地域に恩返しをするため、大堀相馬焼のろくろや絵付け体験を職人から直接学ぶ陶芸体験プログラムと、白河に存在したという白河焼の復活を目指し、焼き物を使ったお茶文化を体験する『市民共楽ツアー』を企画した。
白河市にある本物の日本文化を体感する
ツアーのターゲットは、お茶文化や江戸時代文化に興味がある首都圏在住の30代~50代女性や、日本の歴史や文化に興味がある外国人、近隣在住の50代~60代の茶道経験者など。また、都心からのアクセスに優れる白河市は、コロナ禍においてのマイクロツーリズム需要にも適していると狙いを定めた。
ツアーは「南湖公園」の散策から始まる。昼食は、NHKのテレビ番組「プロフェッショナル」にも2度出演している白河ラーメンの人気店「とら食堂」など、白河市が誇る人気コンテンツがつまっている。また、着物に着替えてのお茶体験や、大堀相馬焼「いかりや窯」での陶芸体験など、本物の日本文化を体験することができるツアーを展開した。
地域に存在しているひとつひとつのコンテンツを掛け合わせることで、その潜在力が発揮される。参加してくれた方とともに、白河地域の魅力と奥深さをあらためて知るツアーとなった。