職人の担い手不足や高齢化は、大堀相馬焼においても、抱えている大きな課題のひとつである。2015年ごろから、いかりや商店と松永窯が協業し、年に1度京都の陶芸学校を中心に、大堀相馬焼の陶芸や福島移住に関する説明会・個別相談会を行ってきた。
伝統を継承するために大切なことは、担い手を育成すること
説明会・個別相談会を通して、受け入れてきたインターンの数は、現在までに約50名を超える。そのうち、5名の方がいかりや商店・松永窯の職人に就職したり、福島の地域おこし協力隊として着任してきた。
さらに多くの若者へと訴求するため、ガッチ株式会社は、「「福島に住んで。」頑張る地域応援事業補助金」を活用し、大堀相馬焼の担い手育成のためのYouTube動画を作成・編集し、総合プロデュースを行った。
県外出身の職人たちのリアルに迫る
動画に出演するのは、福島に移住をして松永窯やいかりや商店で大堀相馬焼の陶芸の修行をし、2021年に独立を果たした職人吉田直弘、大堀相馬焼地域おこし協力隊として8か月目の山口明日香。彼らの工房の1日がリアルに捉えられている。県外出身の若き職人たちを特集することで、若者が福島への移住後の生活をリアルに感じられる構成だ。
また「いかりや窯」代表の山田氏や、大堀相馬焼「松永窯」4代目の松永とともに、移住してからの生活や大変だったことなどを赤裸々に語るインタビュー動画も公開した。伝統工芸にとって、伝統技術を若い世代へと継承していくことは、ひとつの重要な課題である。ガッチ株式会社が、これから提唱していきたい「伝統創生」には、人材育成への取り組みも含まれている。