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CASE
05

オンラインを活用したファン層拡大策で、ご当地グルメ「なみえ焼そば」に新しい風を。

  • クライアント:
    めんの旭屋
  • 製品:
    なみえ焼そば
  • 地域:
    福島県浪江町
  • 取引相手国:
    取引相手国
なみえ焼そば

いまや全国区となった「なみえ焼そば」用の麺から病院・学校給食用の麺まで、地域の食を支え続けてきた「めんの旭屋」。創業80年の老舗は、コロナ禍で沈む卸販売を補うため、再び「なみえ焼そば」のブランドに賭けた。

復興まちおこしのシンボル「なみえ焼そば」を作り続けて

「なみえ焼そば」は、福島県浪江町のご当地グルメである。肉体労働者の空腹を満たす、安くてうまくて腹持ちがいい食事として、60年以上前に誕生した。通常の3倍の太さがある極太麺が特徴で、具はシンプルに豚バラ肉とモヤシのみ。ラードで炒めて濃厚なソースで味付けした豪快な焼きそばは、町内の多くの飲食店で提供されていた。

これを「なみえ焼そば」と命名して町のPRに活用してきたのが、2008年に結成されたまちおこし団体「浪江焼麺太国(なみえやきそばたいこく)」だ。当時の商工会青年部メンバーが立ち上げた。2011年の東日本大震災・原発事故による全町避難という苦難を乗り越え、2013年にはついにB-1グランプリ*で優勝。これを機に「なみえ焼そば」は一躍、全国区で有名となる。(*B-1グランプリ=当地グルメでまちおこしする団体の祭典)

1940年創業(会社設立は1953年)の旭屋は、この地域団体商標「なみえ焼そば」の唯一の認定工場である。町内の飲食店向け業務用のほか、小売り用のパッケージ製品も販売してきた。B-1グランプリ優勝のおかげで、ネット通販も飛躍的に伸びた。大震災で工場は閉鎖を余儀なくされたが、直後は委託製造で乗り切り、2014年には相馬市の新工場で再出発を果たした。

しかし、震災から時間がたち、「浪江焼麺太国」も活動を休止したことから、なみえ焼そばに対する全国からの「応援需要」は頭打ちになっていく。一方、旭屋のもうひとつの主力事業は、病院・学校給食向けのソフト麺やスーパー向けの袋入り麺だが、それを襲ったのがコロナ禍だ。こうした卸販売が激減し、旭屋は再び、消費者向け通信販売のテコ入れを迫られたのである。

アレンジレシピでファン拡大、次の一手につなげる

相談を受けたガッチ株式会社の提案は、やはり全国に知られた「なみえ焼そば」ブランドを最大限に生かすことだった。

まず立ち上げたのが「なみえ焼そばファンクラブ」。LINE公式アカウントで情報を発信、インスタグラムで「なみえ焼そば」の調理手順をライブ配信するなどしてファンを拡大した。さらにZoomを使って「みんなで食べるなみえ焼そば」イベントを合計4回実施。初回は社長自ら調理法を紹介した。著名Youtuberともコラボレーションし、オンラインならではの話題拡散を狙った結果、ファンクラブのメンバーは半年間で600人を数えるまでになった。

ポイントは、元祖「なみえ焼そば」の味だけにこだわらないことだったと言えるだろう。有名シェフによるスペシャルアレンジの紹介に加え、自分でもアレンジしてみたいというファンの声に応えて、ソース添付なし極太麺だけの商品を発売。それを使ったアレンジレシピも募集してPRに活用した。旭屋自身も以前から「なみえ焼そば」のバリエーション商品を開発し、単体で販売していたが、これを機に元祖バージョンと合わせてバラエティセットとして発売し、好評につながった。

同時に、自社通販サイトのデザインをより魅力的に改定。トップページからの導線改善など「インフラ整備」も進めたのは言うまでもない。これらの結果、自社サイト・他社サイトを合わせた通販の売上額は半年間で約15倍と驚異的な伸長をみせたのだ。

こうして、浪江町の復興まちおこしシンボルのひとつ「なみえ焼そば」に新たな風が吹いた。今回築いた「なみえ焼そば」ファンコミュニティを次の一手にどうつなげるか。それが今後のチャレンジとなる。

» めんの旭屋 WEBサイト

これまでの成果

売上
ECの売上が昨対比で3倍
販売地域
日本全国
今後の展開地域
海外展開も見据えて奮闘中
現在の展開地域
展開地域

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