縄文時代から装飾品や祀りごとに利用され、久慈地方の農家では焚き付けや虫よけとして燃やされてきた琥珀。岩手県久慈市において昭和54年に創業した上山琥珀工芸は、「久慈産の琥珀」を現代の装飾品として開発し、自ら原石を採掘して、加工・販売を行っている。
ガッチ株式会社は「2020年度 専門家派遣集中支援事業」を活用し、上山琥珀工芸のウェブサイトとパッケージのリニューアル、Instagramの開設およびマニュアルの整備を行った。
唯一無二のストーリーを発信するECサイト
9千万年前から伝わる地球の貴重な資源「琥珀」の魅力を発信する上山琥珀工芸。唯一無二の魅力を伝えるために、時間や壮大な世界観を感じさせる「琥珀は太古からの地球のプレゼント」というコンセプトを設計した。
良いものを身に着けたい50代女性、化石好きの40代以降の男性など、化石としての魅力も兼ね備える「琥珀」のターゲット層に響くように、社名のロゴタイプ、ブランドカラーを設定する。現状のウェブサイトの課題も洗い出しながら、上山琥珀工芸らしい発信方法を模索していく。
自走し発信を続けるための仕組みをつくる
ウェブサイトやECサイトの構築において大切なことは、自力で発信し続ける仕組みづくりである。そこには、日本各地で伝統創生を続けてきたガッチ株式会社の実感や知見が存分に生かされている。
ウェブサイトの素材撮影を行ったカメラマンを招き、写真の撮影方法やレタッチのレクチャーを実施し、効果的な投稿のための文章作成の方法も伝授。発信媒体として新たにInstagramも開設し、広告の出稿方法や更新方法など、情報発信のコツを記載したオーダーメイドのマニュアルも整備した。
ECサイトやInstagramを通して、新たな販路を獲得することができた。採掘から、販売まで行う稀有な事業者である上山琥珀工芸は、太古からの地球のプレゼントである琥珀の魅力を、今日も世界に発信し続けている。