CASE
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震災の記憶を受け継ぎ、アートを通じた地域の交流拠点へ

  • クライアント:
    経済産業省
  • 製品:
    ハマカルアートプロジェクト
  • 地域:
    福島県浪江町
  • 商品開発・クリエイティブ戦略
ハマカルアートプロジェクト

福島県浪江町で350年受け継がれてきた国の伝統的工芸品大堀相馬焼。東京電力福島第一原子力発電所の事故により、浪江町は帰宅困難区域に指定され、大堀相馬焼「松永窯」も避難した。

2023年3月、大堀相馬焼「松永窯」のある集落の避難指示が解除された。度重なる余震や野生動物、風雨によって、ガラスの破損、陶器破片の飛散、内部・外壁の損傷を負ってしまった「松永窯陶芸館」。しかし、公費解体には期限があり、解体するか・残すか選択が迫られている。

思案のすえ、「松永窯」は「松永窯陶芸館」を残すことに決めた。震災遺構として、10年間放置されたこの状態のまま残すことができないか。きっかけのひとつは、映画のロケ地になったことだ。犬童一心監督が撮影したダンスドキュメンタリー、田中泯『名付けようのない踊り』(2022)で、「松永陶芸館」で場を踊った。松永は「『踊り』が終わると場所のむき出しの感情が浄化されていくようだった」と語っている。

ガッチ株式会社は、「松永窯陶芸館」をアートを通して地元住民との拠点にすることをめざして、「ハマカルアートプロジェクト」を活用し、『⼤堀相⾺焼 松永窯 震災遺構型アーティストインレジデンスプロジェクト』を行った。

アートを通して「松永陶芸館」を地域との交流拠点に

「⼤堀相⾺焼 松永窯 震災遺構型アーティストインレジデンスプロジェクト」は、メディアアーティストの石上洋氏と的場真唯氏を招聘した。2人は浪江町に滞在し、地域住民と交流し、共同制作やワークショップを行った。レジデンス期間を通して、アーティストが感じたことを元にした作品が、まるで廃墟のような「松永窯陶芸館」で展示される。

この取り組みは、震災の記憶を受け継いでいくことでもあり、震災以前海外からのお客さんにも愛されていた「松永陶芸館」の賑わいを取り戻すことでもある。アーティストインレジデンスプロジェクトは今後も開催され、「松永窯陶芸館」の改修と整備を進めていく。

これまでの成果

現在の展開地域

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