「福島に笑顔を届けよう」を合言葉に、写真家・市川勝弘氏が東日本大震災以降、ライフワークとして各地で続けてきた「福島スマイルプロジェクト」。デパートや公園、空港などの一角に特設写真館をつくり、笑顔のポートレートを撮影する。その場で印刷した写真にメッセージを書き、展示したり、郵送することで震災で傷ついたひとへとエールを送ることができる。これまでに撮りためてきた写真の数は、1000枚を超えるという。
「クロテラス」の撮影など、以前から関わりのある市川氏の活動を知ったガッチ株式会社と大堀相馬焼「松永窯」は、被災者の心のケアと地域コミュニティの発展を目指すため、道の駅なみえにおいて「福島スマイルプロジェクト」を開催した。
笑顔の写真を、大切なひとへと届けよう
道の駅なみえに組まれた「福島スマイルプロジェクト」スタジオセットに、地域の方がやってくる。撮影した笑顔の写真は、その場でハガキにプリントアウトする。ご自身にも1枚プレゼントしたうえで、ハガキにメッセージを書いてもらう。書いたメッセージはその場で展示し、後日事務局から宛先に送付する。
2日間限りの開催にも関わらず、約100名もの参加者を集めることができた。「家族と写真を撮ることもないから良い記念になった。」「知り合いの笑顔も見られてよかった。」という嬉しい声もあった。
市川氏の撮影した笑顔は、展示され、誰かに届けられることで、さらに多くの人にひろがっていく。誰かを大切に思う気持ちが繋がっていく。写真を通した交流のなかに、明日への活力を見いだすような時間であった。